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by KK

Sunday JATP@横濱ジャズプロムナード2007

秋になると毎年、行きたいと思いながら都合が合わず出向くことができなかった「横濱ジャズプロムナード」。
今年ついに宿願叶い、初参加!

本当は2日間通うつもりだったのだが、土曜は所用があって泣く泣く断念。
その分楽しんでやると、鼻息荒くJR桜木町駅に降り立ったのが、10月7日(日)12時45分頃。
ホームに、ビックバンドの演奏が響いている。おぉやってると、心浮き立つ。
音は、改札口出てすぐ右のコーナー。旧東横線桜木町駅改札口のあたり。
多くの人が演奏に聴き入っている。
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一気にジャズ気分高揚。
ちょっと聴いて、ランドマークタワー目指して歩き始める。
タワーの中もいたる所で生演奏が展開されている。
階段に腰を下ろして聴き入っている人も。
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(上はクイーンズ・スクエアで演奏していた帝京大学付属中学・高校の生徒さんたち。この年齢でチャーリー・パーカーの「ドナ・リー」を演っていて、ビックリ。それもソツなくこなしていたから大したものである)

外に出ると、広場で青空の下、アマチュアのビックバンドが演奏中。
演っている人も、聴いている人も、楽しそうだ。
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ここでしばしコンビニで買ってきたおにぎりを頬張り、腹ごしらえ。なんといってもこれから21時近くまでの長丁場、食べられる時に食べておかなければ身体がもたない。

* * *

そして、14時少し前、「みなとみらい大ホール」へ。
14時20分から「SUNDAY JATP / 秋吉敏子(p)・中村誠一(ts) グループ」のステージが始まるのだ。
入口近くで列に並び、少し経ってからうしろを見ると、列はどんどん長くなっている。こんなに人が集まるとは、と正直意外ではあったが、前後に並んでいる方々の会話から頻繁に、アキヨシさんアキヨシさんと、秋吉敏子の名が、耳に入ってくる。
なるほど、ここに集まった皆さんは、日本のジャズ界の草分けといえる秋吉さんのファンなのかと納得。

秋吉敏子。
ジャズ知りそめし頃、秋吉さんが夫君のルー・タバキンと組んだビッグバンドのレコードは、発表されるたびに注目を集めていたような気がする。
かくいう私も『孤軍』『ロング・イエロー・ロード』など、「秋吉敏子=ルー・タバキン・ビッグバンド」のレコードは、よくFMで放送されていたので耳にする機会は多く、録音して何度も聴き直したものだった(とりわけ『インサイツ』に収められた大作「ミナマタ」から受けた衝撃は、いまだに生々しい)。
しかし、当時の私は生意気に、秋吉敏子の真骨頂はこのビックバンドによって実現される作曲および編曲にあり、ピアニストとしてはどうだろうかなどと、同級生たちに訳知り顔で話していたものだった。
まさに、汗顔の至り、である。

長蛇の列の中、今から30年以上も前の、秋吉さんにまつわる青臭い見解を思い出して赤面しながら、ようやく秋吉さんの音を、虚心に体感する機会が巡って来たのだなぁと思ったりしているうちに、列が動き始めた。

*

ほぼ満席のみなとみらい大ホール全体が徐々に暗くなり、リーダーの一人である中村誠一がステージに登場したのは、14時半を過ぎていたと思う。
オールドファンの私、この方があの山下洋輔トリオの初期メンバーかと、これにも感無量。
中村さん、軽妙なMCで客席を沸かせ、一人ずつメンバーを紹介し、ステージに招く。

市原ひかり、松島啓之、原朋直(tp)、多田誠司(as)、中村誠一、西條孝之介(ts)、片岡雄三(tb)、田中裕士(p)、藤原清登(b)、川口弥夏(ds)

この10名で始まった幕開けの曲は、「パーディド」。この種のセッションにふさわしい曲である。挨拶代わりのソロの披露に、こちらもジワッと熱くなる。
2曲目は3人のトランペッターをフィーチャーしたナンバー。ソロの応酬が場内の空気を熱くさせたが、原朋直のプレイに、一日の長あり。
それからも、ずっと舞台に出ずっぱりだったのはピアノ、ベース、ドラムの3人だけで、ホーンセクションは曲によって何人か消えていたり。

途中からボーカルのディナ・ハンチャードが加わり、チャーリー・ミンガスの曲を何曲か歌う。これらがことごとく素敵な曲で、あのミンガスがこんなに美しいメロディーを作ったのかと少々意外の感に打たれた。

といったところで前半は終了。
さまざまな趣向が凝らされたステージ、充分楽しめた。

*

休憩ののち、後半。
秋吉さんが舞台に登場すると、割れんばかりの拍手。
ああこの小柄な女性が秋吉敏子なのかと、再び私、感無量。

いきなりピアノに向かい、ソロで「ロング・イエロー・ロード」。
お馴染みのメロディに、思わず手を叩いてしまう。
その後MCをまじえ、ソロピアノで数曲披露したが、タッチは70代後半の女性のものとはとても思えず(私の母より年齢が上なのだ!)。とりわけ、バド・パウエルの作品「ウン・ポコ・ロコ」の疾走感、自作「ポープ」のしっとりした情感の表出は本当に見事で、この2曲を聴いている間ずっと私、鳥肌が立ちっぱなし、であった。

秋吉さんのソロステージが終わると、中村さん以下、前半でピアノを担当した田中さんを除くメンバー再登場。
秋吉さんを囲んでのセッション開始。

このパートでは、ホーンがひとりずつソロを担当しては舞台の袖に消えていく「バラードメドレー」があった。
市原さんがトランペットを吹いている場面では、秋吉さん、ドラムの川口さんと、ステージにいる4名中3名が女性。
時代は変わったなぁとしみじみ思うのも、オールドファンゆえ、であろうか。


終盤に入って、ひとりゲストが加わった。
ドラムプレイヤー鬼束"Tiger"大我くん。なんと、9歳。私の娘と1歳しか違わない!
その彼が、一回り小さなドラムセットを前にして繰り広げたパフォーマンスは、実に堂々として、立派だった。
特にフィナーレでの、川口さんとのドラムバトルは聴き応え充分。オトナと互角にわたり合う大我くんのスティックさばきに、場内ヒートアップ。この日一番の拍手が送られ、なんともいえぬ盛り上がりの中、「SUNDAY JATP」は終了した。

私は、ロビーで熱演の余韻をかみしめ、ビールを一杯…とはいかず、すぐさまダッシュで日本大通り駅へ急ぐ。
(つづく)
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by kreis_kraft | 2007-10-09 10:37 | ジャズ